ファクタリングとABL(売掛債権担保融資)の違い

ファクタリングとABL(売掛債権担保融資)の違い

ファクタリングとABL(売掛債権担保融資)

ファクタリングは、企業が保有する売掛金を売却して事業資金を調達できるサービスのことを言いますが、同じく売掛債権を用いて資金調達することができる金融サービスにABL(売掛債権担保融資) があります。

ファクタリングとABLは、どちらも売掛債権を利用した資金調達であるため、混同しやすいサービスであると言えます。


このページでは、ABL(売掛債権担保融資)について詳しく見ていくことで、ファクタリングとの違いを明らかにしていきます。


ファクタリング会社比較表

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ABL(売掛債権担保融資)とは

ABL(Asset Based Lending:アセット・ベースト・レンディング)とは、企業が保有している流動資産を担保として活用する融資のことを言います。動産担保融資・資産担保融資と呼ばれることもあります。


流動資産とは

会計における資産のうち、通常1年以内に現金化、費用化ができるものを指す。


資産には、流動資産、固定資産、繰延資産の3種類があります。


  • 流動資産 … 現金および営業活動により短期間(一年以内)に現金化できる資産のこと。
  • 固定資産 … 土地や建物、権利といった長期に保有できる資産のこと。
  • 繰延資産 … 数年間にわたって償却される費用のこと。本来は費用計上される支出だが、会計上は資産として計上できる。

流動資産には、現金・預金、在庫商品、売掛債権、受取手形、有価証券などあります。


在庫商品会社が保有する在庫の状態にある商品
売掛債権商品やサービスなどを顧客に販売したものの、まだ受け取っていない代金を請求できる権利
受取手形商品やサービスなどを販売した対価として、販売先から受け取った手形債権
有価証券私法上の財産権を表章する証券。株券、債券、手形、小切手、商品券など。

ABLは、流動資産のうち、在庫商品や売掛債権などを担保として活用することで融資を受けることが出来ます。

つまり、企業にとって利益を生み出す資産を利用して資金調達を可能にするサービスであると言えます。


売掛債権を売却するわけではなく、債務不履行時の弁済手段として一時的に移転譲渡されます。


ABLのメリットは、売掛先へ通知を行う必要がないという点です。

そのため、売掛金を担保に融資を受けた事実を取引相手に知られることはありません。


ただし、あくまでも融資であるため、企業(債務者)は金融機関(債権者)に対して返済義務や利息が発生します。

金利は、担保とする流動資産の保全度合いや信用リスクに応じて設定されます。

一般的には、年2.0%~10.0%程度と比較的低い利率が適用されるケースが多いようです。


また、金融機関との信頼関係の構築が重要になります。


ABLと売掛債権担保融資保証制度

そもそもABL(売掛債権担保融資)は、米国で発達・普及した金融サービスです。

経済産業省は、米国に倣い、法人の債権担保の活用を推進するための制度化を進めました。


2001年、「売掛債権担保融資保証制度」が創設されました。


売掛債権担保融資保証制度とは

売掛債権担保融資保証制度とは、中小企業の資金繰りの円滑化を図ることを目的に、中小企業者が売掛先に対して保有している売掛債権を担保として金融機関が融資を行う場合に、その債務を信用保証協会が保証する制度のこと。略称は売債。


債権譲渡に関する制度が整ったことで、融資の担保としての信用力が高まり、不動産を所有しない中小企業でも資金調達が容易となりました。


2007年、売掛債権担保融資保証制度は、中小企業信用保険法改正により流動資産担保融資保証制度(ABL保証)へと拡充されました。


流動資産担保融資保証制度とは

流動資産担保融資保証制度とは、従来、担保対象資産が売掛債権に限定されていたものを新たに対象資産に在庫を追加した制度のこと。略称はABL保証。

金融機関が融資を行う際、各都道府県の信用保証協会が信用保証を行うことになる。


現在では、このような制度化が整ったため、中小企業は銀行融資に頼らず機動的な資金調達を行うことが可能になりました。


ABL(売掛債権担保融資)とファクタリングの違い

ABLとファクタリングは、どちらも通常の金融機関からの借入とは異なる多様な資金調達手段の一つです。

どちらも企業が保有する売掛債権を活用して事業資金を調達することが出来るため、混同される方もいらっしゃるかもしれませんが、本質的には別のサービスです。


両者は、次のように区別することが出来ます。


  • ABL(売掛債権担保融資) … 商品在庫・売掛債権を担保に融資を受けることが出来る金融サービスのこと。
  • ファクタリング … 売掛金を売却して現金化する金融サービスのこと。

ABL(売掛債権担保融資)は、売掛債権・在庫を担保にした融資であるため、バランスシート(B/S)上では「負債」に分類されます。

そのため、デットファイナンスに該当します。


デットファイナンスは、企業の会計において負債にあたる資産運用です。このページでは、デットファイナンスと呼ばれる資金調達方法について解説しています。

一方、ファクタリングは、ファクタリング会社(ファクター)に手数料を支払って「資産」である売掛金を売却する譲渡契約です。

売却した売掛金により、資金調達することができるため、アセットファイナンスに分類されます。


企業経営において必要不可欠となる資金調達には多種多様の方法がありますが、大きくアセットファイナンス、デッドファイナンス、エクイティファイナンスの3種類に分類されます。このページでは、アセットファイナンスと呼ばれる資金調達方法について詳しく解説しています。

ABLは、金融機関による売掛金や売掛先の評価によって、融資額や金利、融資期間などが変わってきます。

良質な売掛債権や在庫等を所有する企業であれば、金融機関の審査結果の如何によっては多額の資金を融資してもらうことが可能です。


一方、ファクタリングは、債権額以上で売却することは出来ません。

つまり、売掛金の額から手数料を引いた金額を手にすることが出来るということです。


そのため、多額の資金を調達するためには、それだけ売掛金を用意する必要があります。


また、ファクタリング(2社間ファクタリング)は手数料が高くなる傾向があるため、コストがかさむケースもあることを理解しておきましょう。


ファクタリングは、ノンリコース契約(償還請求権なし)である場合が多いため、万が一、売掛先が倒産・廃業した場合はファクタリング会社が全てのリスクを背負うことになります。


ノンリコースとは

ノンリコース(nonrecouse)とは、償還・償還請求を行わないこと。


そのため、2社間ファクタリングでは、高めの手数料を設定している場合が多いのが実情です。


2社間ファクタリングとは

利用者(納入企業)とファクタリング会社(ファクター)の2社間で行われる、売掛金売買取引のこと。

取引先への同意や譲渡通知は不要であるため、取引先に知られることなく売掛金を売却して現金化することが出来る。


ファクタリングの仕組みは、2社間ファクタリングと3社間ファクタリングの2種類に大別されます。どちらも売掛金を売却して資金化をすることが目的ですが、その手順や結果(費用や入金までの期間)については大きく異なります。このページでは、2つの取引方法の違いを見ていくことで、メリットとデメリットを説明していきます。

まとめ

ABL(売掛債権担保融資)とファクタリングの違いは下表のようにまとめることが出来ます。


ファクタリングALB
形態譲渡契約金銭消費貸借契約
申込先ファクタリング会社金融機関
返済の必要性不要必要
資金調達額売掛金の額に応じて審査内容による
調達コスト比較的高い
10~30%程度の手数料(2社間の場合)
比較的低い
2~10%以下の金利

どちらのサービスも一長一短があるため、メリットとデメリットを十分に理解した上で選択されることをおすすめします。


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